top of page
執筆者の写真dkyudob

6月28日 水曜日 雨のち曇り 「今週のこの人」


           熱心に弓へ向かう男がいる。

「今思えば、あの頃は何も考えていなかった」。

この1,2年で大きく射技・的中を向上させた彼の言葉の裏にあるものを追う。

一回生時の夏合宿の的中率は32%、翌年は39%。

先輩から指導をもらった時、他の考え方を知らず「これが正しいんだ」と思い込んだ。

言われたことを鵜呑みにして考えることを放棄し、機械の如く矢数をかけた。

何も成長していなかったというよりは、何もしていなかったに等しかった。

先輩が引退した後、考えに考え抜いた。

自分の射技に納得できたときがなかったことに加え、

中る後輩や大学から弓道を始めた他大学の同期が

好成績を収めていることに刺激を受けた。

人の射の観察をして、なぜこうなるのか。

撮影したカメラの映像や今の感覚から、どこがおかしいのか。

先達の教えが書かれた本を読み漁り、

毎日のフィードバックも欠かさなかった。

監督からもらう指導を元に小さな努力を積み重ね、

散らばった点は一つの線になり、予感は確信へと変わっていった。

「矢数が足りないということはあるが、矢数が足りるということはない」。

自分が良いと思うものへなかなか近づけない。

だから考えて、これはと思ったら即行動。

飽くなき探究心を持って挑む彼の背中を見て、

自分たちは徒らに矢を放ってはいないかと問いかける。

閲覧数:119回0件のコメント

最新記事

すべて表示
bottom of page